紫外線対策になる日焼け止めクリームの選び方
人が日差しを長時間浴び続けると、紫外線の影響で日焼けをします。夏場は特に紫外線が強い時期。さらに薄着で過ごす事が多くなり肌の露出が増えてしまいがち。肌になるべく直射日光があたらないようにしなければいけませんが、顔や手などを完全に覆う事は難しいですよね。そんな時にぜひ活用したいのが日焼け止めです。春から夏にかけては、例え曇りであっても紫外線が強く降り注いでいると言われています。紫外線対策のため、夏場は特に天気に関係なく日焼け止めを効果的に使って、大切な肌を紫外線から守りましょう。
日焼け止めクリームの特徴

日焼け止めの成分は以下の2つに大きく分類されます。最近の日焼け止めには、紫外線からお肌を守るだけでなく美白成分や保湿成分などを配合したものも市販されています。自分の肌タイプや用途に合わせてしっかり選ぶようにしましょう。
まず、日焼け止めクリームの成分は大きく分類すると「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」という2種類が存在しています。
このいずれか、あるいは両方が配合された商品が日焼け止めクリームです。
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤とは、文字通り紫外線を吸収し熱エネルギーに変えた後外部へ放出させる役割を果たすものです。主にSPF値の高い日焼け止めに使用されます。SPF値が高くなれば紫外線防止効果は強くなりますが、その分肌への負担も大きくなるという事です。そのため、敏感肌の方や小さな子供にはあまり適しません。日焼け止め使用後の洗顔は、専用のクレンジング剤と洗顔剤を併用するなどダブル洗顔が必要となってきます。
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【紫外線吸収剤 主な配合成分】
- ケイ皮酸誘導体
- パラアミノ安息香酸誘導体
- ジベンゾイルメタン誘導体
など 。効果は高いが肌へダメージも大きいタイプです。
紫外線散乱剤
紫外線散乱剤とは、紫外線が直接肌に当たらないように反射させ散乱させる作用があります。紫外線散乱剤を配合した日焼け止めは、紫外線吸収剤より比較的肌への負担が軽いとされます。
パウダーで物理的に反射させるので、白っぽくなりやすいです。
【紫外線散乱剤 主な配合成分】
- 微粒子酸化チタン
- 酸化亜鉛
など。効果は若干低めですが、肌へのダメージが小さいのがメリットです。
SPF値とPA値
日焼け止めクリームなどに書かれている数値。これは一体何の目安なのでしょうか?日焼け止めの基準を示す数値に「SPF値」と「PA値」があります。それぞれの違いは以下の通りです。
SPF値
SPFとは[Sun Protection Factory]の略で「紫外線防御係数」と言う意味です。日焼け(サンバーン)や皮膚がんの原因となる紫外線B波(UV-B)を、具体的にはどれだけの時間防ぐ事が出来るかを示したものです。「サンケア係数」とも呼ばれます。SPFの効能はだいたい20分前後と言われており、このSPF値が高くなる程紫外線を防ぐ効果も高まるという事です。SPFの数値が高いほど紫外線B波を防ぐ時間が長くはなりますが、その分肌への負担も大きくなると言う事になります。一概にSPF値がただ高ければ良いという問題でもありません。ただし肌タイプや遺伝的要素などの関係で、日焼けをするまでの時間はそれぞれ個人差がありますので、SPFの数値はおおよその目安です。日本国内で表示できる最大値はSPF50+です。しかし紫外線B波を防御できる数値はSPF30あれば十分とされており、それ以上数値が増えても効果にそれでも差はありません。肌への負担を考慮すれば日焼け止めはSPF値は30までのもので十分でしょう。
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【SPF値の目安】
- SPF25の日焼け止めを塗る ⇒「20×25=300分(5時間)」紫外線Bを防いでくれる。
- SPF30の日焼け止めを塗る ⇒「20×30=600分(10時間)」紫外線Bを防いでくれる。
PA値
PA(Protection grade of UVA)とは主に肌を褐色(サンタン)にしたり、シワやたるみなどの光老化の原因となる紫外線A波(UV-A)を防ぐ目安の事。「+」で表示され3段階に分かれています。「+」の数が多い方がより紫外線A波を防ぐ効果が高いという事になります。
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【PA値 表示のされ方】
- PA +
- PA + +
- PA + + +
- PA + + + + (2013年以降)
体質 | 赤くなるが黒くならない | 赤くなり黒くなる | 黒くなりやすい | |||
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日常生活 | SPF10 | PA+ | SPF10 | PA+ | SPF5 | PA+ |
外出時 | SPF30 | PA+++ | SPF20 | PA++ | SPF10 | PA+ |
レジャー | SPF50 | PA+++ | SPF30 | PA+++ | SPF20 | PA++ |
参考記事:日焼け止めの効果を示す「SPF」「PA」とは何か?
日焼け止めを塗るときの注意点
日焼け止めの試し塗りをする
日焼け止めを初めて使う場合は、まず少量手にとって目立たない部分に試し塗りをしてみましょう。日焼け止めは紫外線から肌を守っている分、肌への負担や刺激が多い場合もあります。肌トラブルが起きないようであれば本格的に使ってもよいでしょう。敏感肌や肌トラブル、アレルギー、アトピー性皮膚炎などがある場合は、日焼け止めが原因で症状が進行してしまう場合もあります。使用する前に一度皮膚科で確認される事をおすすめします。
ムラなく塗る
日焼け止めは紫外線があたりやすい部分に、ムラが出来ないよう均一に塗りましょう。手の甲で日焼け止めを延ばすとムラが出来やすいので、なるべく手のひらでまんべんなく塗るようにします。
こまめに塗る
日焼け止めは一度にたくさん塗らずこまめに塗りましょう。日焼け止めは皮脂や汗を分泌すると落ちやすくなります。最低でも2~3時間ごとの塗りなおしを心がけましょう。また、肌トラブルなどがある人や小さな子供の場合は、SPFの数値が低い日焼け止めをこまめに塗りなおすと良いでしょう。
日焼け止めはきちんと落とす
日焼け止めは外出から帰ったらすぐに落とします。海のレジャーに向いているウォータープルーフタイプの日焼け止めは、通常の石鹸やボディーシャンプーで落ちにくい場合がありますので、専用のクレンジング剤などでしっかり落としましょう。また、日焼け後、石鹸やクレンジング剤などを使用して日焼け止めを落とした後は肌は水分不足になりやすくなります。洗顔後は保湿を十分に行うようにしましょう。