紫外線とは

日差しが強くなる季節、特に気になるのが「紫外線」です。それでは、この紫外線とはそもそもどういったものなのでしょうか?ここではこの紫外線について説明していきます。

 

 

紫外線とは?

紫外線とは、太陽から放出される太陽光線の成分のひとつ。肉眼では見ることが出来ない「不可視光線」です。紫外線は、可視光線(目に見える光線)よりも波長が短く、またX線より長い電磁波。 地球の表面に届く太陽光線全体の中の約6%ほどと言われています。

 

可視光線は「赤」「橙」「黄」「緑」「青」「藍」「紫」の7色で構成。いわゆる「虹色」です。紫外線は、この光線の中で紫の外側に位置しています。「紫を超えた」という意味のラテン語【ultra-violet】が語源になっているのはこのため。紫外線を度々【UV】と表記するのはこの【ultra-violet】から来ています。

 

赤外線が熱的な作用を及ぼすことが多いのに対して、紫外線は殺菌作用や日焼けなどの化学変化の作用が大きいのが特徴です。このため「化学線」とも呼ばれています。紫外線は1801年に、ドイツの物理学者リッター(Johann Wilhelm Ritter )によって発見されました。

 

紫外線の種類

紫外線は、大きく以下の3つに分類されます。
参考:UVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)の違い

紫外線A波
【UV-A】

「生活紫外線」とも呼ばれる。波長が長く太陽光線のうち約90%を占める紫外線。波長が長いため天候に左右されず年間を通して地表へ到達するが、紫外線の中では最も害が少ないとされる。ただし、活性酸素を発生させるエネルギーは紫外線B波よりも強い。そのため、長い時間をかけ肌の真皮まで浸透していきコラーゲンを破壊。それが原因となって、シミやシワ、たるみなどを引き起こす。また、肌の色を黒くする「色素沈着」を起こすが、同時にメラニンを生成する事で紫外線から肌の細胞を守る役割も果たす。

 

《紫外線A波が多く見られる時期》
・5月頃が最も紫外線量が多いとされるが、紫外線B波と比べると天候に左右されないため、紫外線量の変動は基本的にはあまりない。

紫外線B波
【UV-B】

「レジャー紫外線」と称される。地表への線量は全体のわずか10%程の紫外線。ただし影響力が大変強く、紫外線A波と比較すると最大で1000倍有害性が強いとされる。紫外線A波が肌の真皮まで到達するのと異なり、この紫外線B波は肌の表面に強く影響を与える。そのため、赤い炎症を伴う日焼けやシミやシワ、ソバカス、乾燥肌など肌の老化を進めるだけでなく、皮膚がんや白内障、免疫力低下などの健康被害にも及ぶ。

 

《紫外線B波が多く見られる時期》
・3~9月の春から秋にかけて強く降り注ぐ。特に真夏の7月~8月に紫外線の量が増え、真冬と比較すると紫外線量が約5倍になるとされる。
・天候などにより5~6月が最も多くなる場合も。

紫外線C波
【UV-C】
オゾン層に吸収されるため地表には到達しない紫外線。殺菌作用が強いため紫外線C波を利用して人工的に作られた「殺菌灯」などが医療の現場などで使用されている。通常は大気を通過する事が出来ない紫外線だが、生物に対する影響が最も強く有害とされる。この事から、地球温暖化によりオゾン層の破壊が進むと、紫外線C波が地表に到達してしまい、その結果様々な影響を及ぼしてしまう事が懸念されている。

 

この事からも分かるように、最も身近で直接私たちの身体に影響を及ぼしている紫外線は、紫外線A波と紫外線B波となります。

 

種類 割合 波長(ナノメートル nm)
紫外線UV-A 5.5% 320~400
紫外線UV-B 0.5% 290~320
紫外線UV-C 0% 200~290
可視光線  52% 760~
赤外線 42% 400~760
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